BRM1021あおば400みなかみ

初めての400kmブルベ。コースも過酷だけど途中の気象条件も過酷だった。うっかり1カ所写真撮り忘れて認定は逃したけど、25時間12分で無事完走できた。

 

準備

3日前ぐらいから、充電物を順次充電。サイコン、ライト(フロント×2、リア×2、フロント予備×1)、モバイルバッテリー×2、あと心拍センサー。前日夕方から本格的に準備。自転車にバーバッグ、フレームバッグ、トップチューブバッグを装着。濡れてはいけないモバイルバッテリーを防水仕様のバーバッグ、嵩張るウェア類をフレームバッグ、補給食をトップチューブバッグに入れる。今回のコースの最北、片品村の天気予報が午後雨で、気温が一桁台なので、真冬の雨装備が必要。上半身は下から半袖メリノメッシュ、長袖ブルベジャージ、インサレーティッドブルベジレ、レインジャケット。下半身はスタート時は暖かくないレッグカバー履くけど、寒くなったら脱いで地肌にホットオイル塗り込んでからのワセリンコーティングすることにした。足元はレインシューズカバー+浸水防止のナイロン袋で雨と防寒対策。手は指切りグローブ、指先まであるグローブ、防寒テムレスを使い分け。しかしスタート時は気温10度以上、日中は20度超えるので、バッグに入れるものが結構多い。特に、防寒テムレスがけっこう嵩張り、フレームバッグに入り切らないので防寒テムレスだけバーバッグに入れることになった。そろそろしっかりとした容量のサドルバッグが欲しい。

当日

4時少し前に起きていつもと同じぐらいの朝食を食べ、着替えて、タイヤに空気入れて、ちょうど5時ぐらいに出発。5:15ぐらいにスタート地点の大丸公園に到着。5、6人ぐらい先に来ていた感じ。受付して、5時半過ぎからブリーフィング。この時点で出走者は15人もいないぐらい。後ほど何人か遅れてきて、後からスタートしたようだけど、結局出走者は全部で20人ぐらいだったのだろうか。さすがあおばの400kmなのか、50人以上いた4月の渡良瀬300とえらい違いだ。スタート直前の写真。

スタート〜赤城山の麓

スタート前にトイレ済ませてから、ちょうど6時ぐらいにスタート。スタートのときにちょうど前にいたお二人と、少し後から追いついてきた一人と、4人で最初は走った。最初3番手で走っていて、前の二人が10kmも走らないうちにコンビニに寄ったので、そこからしばらく先頭を走ることに。赤城山の登りが始まるまでは誰かの後について走りたかったなと思ったけど、しょうがないのでしばらく先頭走っていたら、飯能の坂(35km地点あたり、国道299号線の少し登っているところ)でスタート時前にいた人が後から抜いて前に出て、先頭を走ってくれるようになった。この方、参加者の中唯一半袖ジャージというのもすごいけど、体つきすごいし、ジャージにはRAAMのロゴが入っていたりと、かなり凄い方とお見受けした。その後、ペースこのぐらいで大丈夫ですか?と後ろに気遣いながら、PC1の小前田駅までずっと前を引いてくれた。神だった。

小前田駅で走るグループがシャッフルされたというか、リスタートがバラけたので、また違う人の後について走る形になった。最初二人だったのが3人になったり4人になったりしたけど、途中でコンビニやファストフード店に寄ったりとかで、84km地点でとうとう一人になった。そこまではグロスアベ21km/h越えるペースで来ていたけど、一人になって向かい風基調で、赤城山に向かって徐々に登っていくこともあり、グロスアベも徐々に落ちていった。その途中、114km地点でかなりの視線を感じた。

赤城山登り始めたら、その後50km以上コンビニないとブリーフィングで脅されたので、登り始める前に補給しないとと思いながら、なるべく登り直前にと思って街中のコンビニをずっとパスしていたら、突然(ではないと思うが感覚的に)コンビニがある雰囲気でなくなった。それでどんどん赤城山に近づくので、かなりヒヤヒヤしていたら、赤城山上り口の手前にコンビニあり助かった。116km地点。ちょうど正午前なので、しっかり昼ごはん食って補給。補給食にミニあんぱん4個入りとか欲しかったけど、なかったので練乳ミルクフランスにした。これを反射ベストの背中ポケットに入れて走った。後でわかったが、フランスパンなので時間ないときたべづらい。そしてこの後かなりの時間をロスした赤城山に入っていく。

赤城山

12時ちょうどぐらいにリスタートし、さっそく登り開始。少し登ると赤城神社があり、その手前を右折すてから本格的な登りスタート。ストラバのセグメント情報だと、平均勾配8%超。特に中間あたりの切り返しが超短い九十九折り区間はずっと10%越えな感じ。そんなにキツいのに、そんなにキツいからか、しかもその九十九折り区間に入る前から、足が攣り始めた。少し登ってはビキビキっと攣って、止まって筋肉伸ばして、の繰り返し。そんな感じなので、何人ものランドヌールに抜かれた。登り切れる気がしないし、登り切ったとしてもその後まだまだ登りはあるので、完走できる気がしない。DNFが頭をよぎる。しかしDNFするにしても、せめて赤城山は登り切りたいと思い、少しずつでも登っていく。そんな状況だけど、見晴らしいいところに来たので撮影。

その後も足攣り地獄はまだまだ続く。少しでも効果あればと期待して、イナーメのホットオイルを脚に塗り込んだ。本当はワセリンと合わせて赤城山頂から下る直前にやるつもりだったのを、後でやるのも今やるのも同じと考えた次第。しかしホットオイル塗ってマッサージしても、やはり足は攣る。シッティングで足だけで回そうとすると攣りやすいので、ペダルに体重乗せるだけダンシングを多用して、14:40過ぎにようやく頂上に到着した。1時間半で登る想定だったので、約1時間のロス。通過チェック1の赤城公園石碑写真。

風が強いのもあり、めちゃくちゃ寒い。下りに備えて、トイレで足と下腹部にワセリン塗って、想定していた雨防寒対策を全て身につけた。ワセリン塗ったらレッグカバー履かないつもりだったけど、ワセリン塗っても素足では寒かったので履くことにした。リスタートして、大沼のそばを通って少し登り返ししてから、12kmぐらいダウンヒル。大沼まわりはものすごく紅葉がきれいだった。真っ赤っかだった。しかし、それを落ち着いて鑑賞する余裕は全くなかった。残念。

薗原湖〜坤六峠

赤城山を下り切ると結構な渓谷で、その渓谷にかかる薗原ダムの上を通過。写真だと高さ感がまったく出ていない。写真撮ってたら、一人ランドヌールが追いついてきて、「そりゃこの風景は写真撮るよね。」とか言いながら少し談笑。その方が先にリスタート後、背中に入れてた練乳ミルクフランスを食べようとするが、固くて食べづらいから半分残してまた背中に収納。あと、ここまで下ってきて気温上がったので、レインジャケット脱いでグローブは指ありにチェンジした。

ダムを後にして、しばらくアップダウンを進む。ドリンクがなくなってきたので、自販機を探しながら走るもなかなかない。あったと思っても、死んだ自販機というパターンがいくつか。このままだとドリンクなしで走らないといけなくなると思っていたら、なんとコンビニ発見。セブン-イレブン 利根老神温泉入口店。水上までないんじゃなかったのか。それはともかく助かった。スタバ缶コーヒーでカフェイン補給しつつ、残りの練乳ミルクフランスを食べ、ボトルにパラチノースと水入れて補充。そういえば今回家で入れてきたドリンク以外は、パラチノースの粉で作る方式にしてみた。最初、パラチノースで作ったドリンクは味がほとんどないなと思っていたら、全然水に溶けていなかった。寒いから溶けにくいのか、振っても全然溶けないので、振って粉が水の中を舞っている状態で飲むようにした。粉が溶けずにそのままなので、ザラザラした。あと、このコンビニでさっき薗原ダムで談笑した方がカップヌードルを美味そうに食べていた。

リスタートしたのは16時半ぐらい。ここからひたすらじわじわ登っていく。リスタートしてすぐ、吹割の滝のそばを通る。一度も見たこともないのでちょっと自転車降りて見にいってみたいけど、そんな余裕は1ミリもない。登りの斜度が上がると、また足攣り祭が始まってしまう。なんとか体重かけダンシングでごまかしながら進んでいく。谷あいの道を進んでいくので、17時ぐらいで日の当たるところはなく、どんどん暗くなってくる。近くに鉄道ないし、ここまで来たら坤六峠越えて水上まで行かないとDNFできない。ま、DNFはいつでもできるけど、帰る手段がないということ。17:10ごろ尾瀬大橋を通過。

さらに進んで、坤六峠への入口?がある尾瀬戸倉温泉郷に入るころにはもう真っ暗になった。17:45ごろ坤六峠への山道に入った。ここからがすごかった。当たり前だけど、真っ暗な山道で何も見えない。そんな中けっこう前半は勾配キツくて、また足攣り祭が始まる。こんなところで走行不能になったら怖すぎると思って、何度も半攣り状態になりながらも一度も止まらず登っていく。たまによくわからない動物の鳴き声や気配がして怖い。途中怖くて何度か意味もなく大声を出した。ちなみに坤六峠は13kmぐらいある。真っ暗な中そんな長距離登らさせるのほんと酷い。18時半ぐらいに中間点というか、分岐道に到達。まだここから6kmぐらいある。そしてこのころから少し雨が降ってきていた。後半はさほど勾配キツくなくて、比較的登り安かった。足攣り祭の気配もほとんどなかった。しかし途中から雨が強くなってきた。というか、体に当たる音がポツポツじゃなくてパツパツになってきた。明らかに雨ではない。あられか雪。嘘でしょ。ガーミンの気温表示見たら、なんと氷点下だった。嘘じゃなかった。登りで体あったまってるからさほど寒さを感じてなかったけど、これはさすがにヤバいと思って一度止まり、レインジャケットを着て、グローブを防寒テムレスにチェンジした。その後、リスタートして降りつける雪を体に受けながら、ひたすら登る。ゾンビ走法で、何も考えず下向き加減で登っていた。ふと、何か前方にいる、と思って顔を上げたら、正面のライトが照らしているところに、鹿が立っている。角の立派なオス。かなりでかい。自分と自転車を合わせたよりも一回り大きく見えた。体は正面をこちらに向けていて、動かず、こちらを見ている。もし向かってこられたらヤバいと思い、思わず「おいっ!おいっ!」を大きい声を出して威嚇したら、幸い茂みの中に逃げていってくれた。こんな氷点下の雪の降る夜の山の中で、鹿は普通に活動しているのか。これが今回のハイライト。その後淡々と登り、19:10ごろ坤六峠登頂。通過チェック2の写真が怖い。

そしてガーミンの気温見たら、なんとマイナス3.1℃。

ここからちょいちょい登り返しはあるものの、30kmぐらいずっとダウンヒル。下り始めあたりは、路面完全ウェットで落ち葉だらけという、超デンジャラスなコンディション。そしてもちろん真っ暗。フロントライトをダブル点灯させても、遠くが見えないので先のカーブ具合がわかりづらく怖い。ある程度下ると雪が雨に変わった。下るにつれ多少気温は上がるもそれでも一桁台前半。そしてけっこう雨が強い。結局水上までずっと雨だった。そして途中、ガーミンの充電がなくなってきたので、充電しないといけなくなったのだけど、けっこうな雨なのでステーに装着した状態で充電してると充電コネクタの部分から浸水する恐れがあるので、ガーミンをバーバッグの中に入れた状態でしばらく充電するようにした。このせいで、215kmぐらいのところの右折がわからず、コースアウトして20分ほどロスしてしまった。右折しないといけないところまで戻ってきたら、ちょうどランドヌールとすれ違ったので、追いついて一緒に走ることにした。薗原ダムと、その先のコンビニで会った方だった。この方(以降、Aさんという)とはゴールまで一緒に走ることとなった。21時ごろようやく水上まで降りてきた。ずっと真っ暗な中を走ってきたので、温泉街の明かりが見えてめちゃくちゃ安心した。

水上〜ゴール

長い長い雨の下りで疲れたのと、トイレ行きたいのと、腹減ったのもあって、21時半ぐらいに休憩のためファミリーマート JA利根沼田月夜野店にピットイン。カップラーメン食べたりして45分ほど休憩した。

リスタートして3.5kmぐらいと3kmぐらいの登りが連続する区間に入った。赤城山と坤六峠とあんなに登ったのに、なぜまたこんなに登らないといけないのか、そしてさっき街中に下りてきたのになんでまた真っ暗な山の中なのか、と思うほどツラかった。しかしAさんと一緒で、しかも同じぐらいの走力(に見えた)なので、心折れずがんばることができた。しかしここで自分もAさんも、2つ登りの間、2つ目の登りの手前にあった通過チェック3を見逃すという津痛恨のミスを犯してしまった。そのことに、2つめの登りを越えて、10km近い下りを下り切った後に会った別のランドヌールに聞いて気がついた始末。下ってきた10kmをまた登って約15kmも戻る気には到底なれず、認定は諦めることにした。このとき23時半ぐらい。そこからその別のランドヌールたちと、0時ごろセブン-イレブン岡上野田店にAさんと休憩に入るまで4人で走った。15分ほど休憩してリスタート。その後1:40ごろPC2に到着。ここもわかりづらく見逃す可能性大だった。

リスタートして少し走って、ローソン 吉井長根店でトイレ休憩。これが最後の休憩で、1:55にリスタートしてからはゴールまで休憩なしで走った。PC2まではAさんに前走ってもらっていたが、Aさんのフロントライトバッテリー切れもあって、PC2からは前を走った。3:15ごろ最後の通過チェック4に到着。

駅舎のトイレ(ラチ外にあって夜中でも使えるのありがたい)で用を足してリスタート。後は飯能までのアップダウン区間を、行きより帰りのほうが登り多くないかとAさんと愚痴りながら走った。東京に入るころにはもう明るくなり、都内を東向きに走っていると朝日が眩しくて信号が見えづらかった。そして、7時過ぎにゴールの大丸公園に到着。認定はされないけど、ゴール受付してもらい25時間12分で完走となった。

そして8時ごろ帰宅。片付け、洗濯は後回しにして、すぐ風呂に入り、そして昼前まで寝た。